足場代

職人が安全に作業するために、建物の周囲に組む鉄骨です。建物の形状や隣接する建物との距離によって変動します。相場は1平方メートルあたり800円～1,500円です。

高圧洗浄代

塗装前の外壁の汚れや古い塗膜を水圧で洗い落とし、塗料の密着性を高めるための重要な作業です。相場は1平方メートルあたり100円～200円（バイオ高圧洗浄：1平方メートルあたり200円～300円）です。

養生代

窓や植木など、塗装しない部分を塗料の飛散から保護する作業です。仕上がりの美しさを左右します。相場は1平方メートルあたり300円～500円です。

シーリング工事代

サイディングボードの隙間などを埋める補修作業です。雨水の浸入を防ぐ役割を担います。相場は打ち替えは1メートルあたり1,000円～1,200円、増し打ちは1メートルあたり500円～900円です。

下地処理代

ひび割れや欠損、既存の塗膜の浮きなどを補修する作業です。塗装全体の耐久性を大きく左右します。相場は外壁の状態により変動します。

塗料代

種類（アクリル、シリコンなど）やグレードによって、価格や耐久性が大きく異なります。相場は1平方メートルあたり2,000円～5,000円です。

人件費

塗装職人の日当です。職人の経験や技術力、作業の難易度によって変動します。相場は1人1日あたり15,000円～25,000円です。

外壁塗装の材料費

外壁塗装の材料費は、塗料以外にも下地材やシーリング材、養生シートといった資材が含まれます。これらの資材は、塗装の品質や耐久性を大きく左右するため、決して無視できません。

下地材

下地材とは、下塗り材やシーラー、フィラーと呼ばれるもので、上から塗る塗料が外壁にしっかりと密着するための土台となる材料です。とくに築20年以上の住宅では、外壁にひび割れや劣化が見られることが多いため、下地材の選定と丁寧な塗布が重要になります。

シーリング材

シーリング材は、サイディングボードの隙間や窓のサッシ周りに充填されるゴム状の素材です。雨水の浸入を防ぐ重要な役割を担っており、耐久性の高いものが選ばれます。これも材料費に含まれます。

養生材

養生材は、塗装しない部分（窓や玄関ドア、植木など）を保護するために使われるビニールシートやマスキングテープなどの資材です。見た目には残りませんが、高品質な塗装には欠かせないものです。

これらの材料は、見積もりに「塗料一式」や「雑材料」といった項目でまとめられていることがありますが、その内訳を業者に確認することで、より透明性の高い見積もりか判断できます。

外壁塗装の費用を正しく理解するには、塗料だけでなく、これらの細かな材料費まで把握することが大切です。

足場代

足場は、職人が安全に作業するための土台であり、品質の高い塗装には欠かせないものです。足場代は、建物の外壁面積に応じて計算されるのが一般的です。建物の形状が複雑な場合や、隣家との距離が近いといった特殊な条件がある場合、費用が変動することがあります。

下地処理

外壁塗装の耐久性は、実は下地処理で決まるといっても過言ではありません。下地処理とは、塗装前の下準備のことで、ひび割れの補修、サビの除去、古い塗膜の浮きを剥がすなど、さまざまな作業が含まれます。

ひび割れ補修

外壁にできたひび割れは、そのままにすると雨水が侵入し、内部の構造材を腐食させる原因になります。ひび割れの大きさや深さによって、使用する補修材や費用が変わります。

サビやカビの除去

金属部分のサビや外壁に生えたカビ、藻などを丁寧に除去します。これらが残っていると、新しい塗膜が剥がれやすくなります。

既存塗膜の除去

塗膜の剥がれや浮きがある場合、きれいに剥がして新しい塗料がしっかり密着するようにします。この作業をケレンと呼びます。

人件費

外壁塗装の人件費は、職人の経験や技術力によって大きく変わります。経験豊富な職人の人件費は高くなる傾向にあり、地域や業者によって異なってくるところです。また、作業の難易度や作業時間も人件費に影響を与えます。熟練した職人は、下地の見極めから塗装の塗り方まで、すべてにおいて高品質な仕事が期待できます。人件費の相場は、1人1日あたり15,000円～22,000円が目安です。この費用は、職人の技術力だけでなく、作業の丁寧さやスピードにも影響します。安価な人件費は、作業の質や安全性が犠牲になることがあるため、注意が必要です。

使用材料とメーカー名をチェックする

見積もりに記載された塗料の種類が、「シリコン塗料」とだけ書かれている場合、品質が不透明なため注意が必要です。塗料には多くのメーカーとグレードがあり、それぞれ品質が異なります。信頼できる業者は、具体的な製品名まで記載しています。塗料の品質や耐久年数を自分で調べられ、安心して任せられます。

見積もり額の根拠となる情報を確認する

見積もりに記載された金額が、何に基づいているのかを理解することは非常に大切です。安価な見積もりに飛びつくのではなく、その価格が妥当な理由をしっかりと確認しましょう。

詳細な項目と数量の確認

見積もりには、「足場代」「高圧洗浄」「下地処理」「塗料代」など、工事の各工程が明確に記載されているか確認しましょう。それぞれの項目に、使用する材料の量や作業面積（平方メートル）、単価などが詳細に書かれているものが信頼できます。

担当者のヒアリング力を確認

外壁塗装は、建物の状態や築年数によって必要な工事内容が大きく異なります。そのため、質の高い見積もりを作成するには、まず建物の状況を細かく確認するヒアリングが欠かせません。担当者が、築年数、前回の塗装履歴、現在の外壁のひび割れや汚れの状態などを丁寧に聞き取り、そのうえで提案をしてくれるか確認しましょう。

総合的に判断

金額だけでなく、施工実績や保証内容を総合的に評価することが大切です。具体的な事例や写真、そして契約前の丁寧な説明や、施工後のアフターサービス・保証の有無を確認し、安心して工事を任せられる業者を選びましょう。